小林旭の本格デビュー作。日経新聞連載からラジオドラマで人気となった原作を、名匠・川島雄三監督が映画化。二組の男女が幸せを求めて彷徨いもがく姿を描いた文芸メロドラマ。
【収録内容】
味岡道代は子宮筋腫の為、東京の病院に入院した。見舞いに来た芝令子と小河内まゆみの生活を羨望する。令子は建築界を牛耳る芝直吉の若妻で、生活に何不自由なく暮らしているが、自分を金のかからない秘書兼娼婦としか考えていない五十男の夫に不満だ。まゆみは夫亡きあと、二人の子供を抱えて建築ブローカーをやっているが、何かしら魂の飢えを感じている昨今だった。ある日令子は、大阪の白仁邸でのお茶の会で、同席した青年紳士の立花烈に動悸が高まるのを覚えたが、立花に気持ちを打ち明けられても、あくまでも貞淑な妻として冷やかに応待するのだった。立花は財閥天童家の分家の跡取りでドン・ファンだが、愛人の女給・のり子を袖にする程に令子には真剣だった。勝浦の旅館にまで後を追って来る立花に、令子は長年の夫婦生活を乗り越えるような魂の目覚めを感じ出す。まゆみも病妻持ちの出版社部長・下妻と関係をもっていたが求愛はさけていた。だが子供の昭と伊勢子は二人の仲を誤解して不満をもっていた。昭は下宿したいと言い出し、借金してでも旅館業を始めて身を固めたいと考えているまゆみを苦しめる。東京に戻った令子は退院した道代を訪れ、悩みを打明けた。道代の夫、仏文学者の礼司は令子の仲人を務めたただけに、その悩みを咄嗟に感じ取った。やがて、まゆみは旅館の件で京都に所用のある下妻と連れ立ち伊勢松阪の兄を訪ねる。この頃、夫と志摩に赴いた令子は、ホテルで遂に立花の腕に抱かれた。
【出演】
三橋達也、南田洋子、轟夕起子、大坂志郎、小林旭(新人)、金子信雄、小杉 勇、高野由美、桑野みゆき、渡辺美佐子
監督:川島雄三
脚本:柳沢類寿、川島雄三
原作:丹羽文雄
製作:坂上静翁
撮影:高村倉太郎
美術:中村公彦
音楽:真鍋理一郎
録音:橋本文雄
照明:大西美津男
編集:中村 正
※本商品は「正・続篇」2作収録となります。
※本商品はかつてリリースされていたDVDの廉価再発商品です。(解説書はありません)
※原版フィルムに起因するお見苦しい部分、お聞き苦しい部分がありますことをご了承ください。
※表現において今日では不適切と思われる部分がございますが、製作者の意図を尊重し、当時上映された内容のままで収録しております。
○1956年
*DVD
*収録時間:約176分/モノクロ/片面2層/日本語 ドルビーデジタル モノラル/4:3スタンダードサイズ/日本
©1956 日活株式会社