完結して100年たった今でも、色褪せることなく世界中で愛され続けています。
当時、虫の生態や行動はほとんど知られていませんでした。ファーブルはこれらを、徹底した観察、そして実験を行うことで明らかにしていったのです。「昆虫記」の完訳を手がけているフランス文学者の奥本大三郎が案内役となり、南フランスにファーブルの生涯の足跡をたどります。そして、昆虫カメラマンの海野和男が、「昆虫記」に描かれた虫の世界をわかりやすく映像化していきます。
【DISC1】スカラベとシデムシ 貴い使命を果たすために
「ファーブル昆虫記」は、完結して100年たった今でも、世界で愛され続けている。その冒頭を飾ったのが、日本ではフンコロガシと呼ばれている「スカラベ」です。ファーブルは、このフンを食べるスカラベや、動物の死がいを食べるシデムシを長い年月をかけて研究しました。なぜファーブルは、人々に敬遠されがちなこれらの虫に注目したのでしょうか?
【DISC2】カリバチとヤママユ 本能の命ずるままに
ファーブルは粘り強く観察と実験を繰り返し、巧みなカリバチのハンティング、本能に導かれて出会うヤママユのオスとメスなど、身近にいる虫の、誰も知らなかった行動を明らかにしていきます。ファーブルが発見した、虫たちの生態を通して、生命を支える「本能」の見事さを紹介しながら、「昆虫記」の執筆に至るまでの彼の人生を描きます。
【DISC3】セミとサソリ 生と死を見つめて
「昆虫記」第一巻を発表し、自分の家、「アルマス」を手に入れたファーブルは、さらに執筆と研究に没頭して行きます。セミは生きる喜びを歌っていると考え、恐ろしい毒虫・サソリが自殺するという定説を実験によって覆しました。晩年のファーブルが虫の姿を通して考え続けた「生」と「死」を描きます。
本編:267分/16:9
©2008 NHK