本商品の特色
・日本を代表する浪曲師初代京山幸枝若師が今年生誕90年、幸枝若襲名75年を迎えます。
・初代京山幸枝若師は少年時代からの厳しい修行を歩み、叩き上げた個性と語り口のその芸才が全編にあふれ出ています。「左 甚五郎」はじめ「会津の小鉄」「河内十人斬り」等はその代表作です。
・師の関西独特の長いキリバ・バラシ(最終の節)の上手さ、タタキ(次から次へ読み)込んでいくハコビは、いっきに客の心をひきあげ高め満足させてしまう素晴らしい妙節で、他の追従を許しませんでした。
・会場や公演場所で同じネタ(演目)でも変幻自在・アドリブ、イレゴトでお客のこころを掴み、えぐり、泣かせ、笑わせた<幸枝若節>は、師の暖かく偉ぶらない人間性が加味され、満杯で溢れでた会場の観客を大いに魅了しました。
・特に男女はじめ老男女、少年少女の各(セリフ)の人物描写の巧みさ、間の旨さ、リズムの良さ、自らも工夫した節の明瞭さ、と随所の腹を抱えるクスグリは観客を唸らせ「面白い」「日本一!」の掛け声と拍手は幕が下っても鳴り止みませんでした。
・老若男女だれにでもわかり易い浪曲は、初代京山幸枝若師や関東の広沢虎造師ほかには無いといえます。
・ライブ録音の「左 甚五郎」は現在ほとんど保存されていません。本全集中の二演題のライブ録音は会場にてお客様に変幻自在を見せる師の本骨頂、大いに盛り上がりをみせる珍しい演目「竹の水仙」「天王寺の眠り猫(上)」を収録しました。本編の同じ通し演題と聞き比べて頂くのも本全集特色のひとつです。
・また京山幸枝若師と若き頃からご親交のあった「てなもんや三度笠」の伝説的テレビプロデューサー澤田隆治さんの特別書き下ろし原稿も掲載し、簡単な生い立ちから芸についてが生のように語られています。
【収録内容】
1.竹の水仙(上)/竹の水仙(下)/松に鷹
2.千人坊主(上) (ライブ録音盤)/千人坊主(下)(ライブ録音盤)
3.掛川の宿(上)/掛川の宿(下)
4.天王寺の眠り猫(上)/天王寺の眠り猫(下) ※旧題は「四天王寺の眠り猫」
5.猫餅(上)/猫餅(下)
6.京人形(上)/京人形(下)
7.木彫りの鯉(上)/木彫りの鯉(下)
8.知恩院(上)/知恩院(下)
9.猫と牡丹(上)/猫と牡丹(下)
10.竹の水仙(全)(ライブ録音盤)/天王寺の眠り猫(上)(ライブ録音盤)
別冊解説:澤田隆治
初代京山幸枝若プロフィール
1926年8月10日生まれ、岡山県出身。両親も浪曲師。五歳から舞台に上がり、多くの演目を耳で覚えるとともに、どんな演目にも山場や笑いを盛り込む技を習得した。迫力と軽快さを兼ね備える声節と巧みな話術で多数の得意ネタがある。1991年6月24日没。
澤田隆治プロフィール
テレビランド代表取締役社長、日本映像事業協会会長。1933年大阪生まれ。神戸大学文学部卒業後、朝日放送に入社。ラジオプロデューサーからテレビのディレクターとなり、「てなもんや三度笠」「スチャラカ社員」「新婚さんいらっしゃい!」などのヒットを生む。75年東阪企画設立、「ズームイン!!朝!」「花王名人劇場」などを立ち上げ、漫才ブームの仕掛け人となる。2001年より帝京平成大学教授として、「笑い学講座」を立ち上げ、06年「笑いと健康学会」を設立。現在もお笑い界のドンとして、新企画のプロデュースに精力的に取り組んでいる。著書に「決定版 上方芸能列伝」 (ちくま文庫) など。
*CD10枚組/B5サイズ別冊解説書:書き下ろし解説&詞章(文句)付き
※上記収録内容は、制作中のため変更になる可能性があります。