企業人として生きる意味は何か、経営の理念とは、モラルとは……。
魂の奥底から沸き起こるこの根源的な問いかけに懸命に応えようとする主人公たちの姿は、時代を超えて生々しく我々に訴えかけ、大きな共感を呼びます。
【収録内容】
■系列 前編「社長の椅子~巨大自動車会社の人事介入を防げ!~」
浜岡茂哉は従業員数3600人の自動車用ヘッドランプメーカー大成照明器の社長。先代がランプ会社として起こした町工場をここまで育ててきた。しかし照明メーカーとして発展するためには、日本を代表する自動車メーカー、東京自動車の系列下に入らざるを得なかった。
東京自動車は傘下にした二百社余りの系列部品会社に厳しい”内規”を課し、経営の細部に至るまで支配権をふるっていた。社長の上限年令制限もその一つであり、68歳を迎えた浜岡もオーナー社長でありながら内規に従って、やめざるを得なくなる。
■系列 後編「企業人の魂~生きのこりをかける男たちの闘い~」
浜岡社長は、優秀な経営者として将来を嘱望されている息子の祥吾に跡をつがせたいのだが、40歳という若さを理由に東京自動車はそれを許さず、自社から天下りしている役員を社長に就かせようと無理押しする。拒否すれば、様々ないやがらせの上、取引を停止され、大成照明器は倒産せねばならない。
やむを得ず、浜岡は子飼いの立山錦一を社長にし、自分は会長に就任して大成照明器の独自経営を守ろうとするが、立山新社長は東京自動車に完全に取り込まれ、取締役会で抜き打ちに浜岡会長を解任し、ついに浜岡父子は大成照明器から追い出され、東京自動車の完全支配が実現する。
■系列2 前編「崩壊の序曲~系列切り離しへ動く自動車メーカー~」
土曜ドラマ「系列2」は、前作「系列」の結末、会長解任劇を承けてスタートした続編。
大手完成車メーカー「東京自動車」の系列傘下にある「大成照明器」は、あらゆる面で東自の介入を受けていた。
企業の独自性を守ろうとするオーナー社長の浜岡茂哉は、会長職に退いて東自の動きを封じようとしたが、東自に懐柔された部下役員たちの造反で突然会長職を解任させられた。
父茂哉が解任されると長男の祥吾は渡米、次男の恒男は東自に留まり「系列」整理のポジションにいる。
帰国した祥吾は信頼する技術者とともに「大成」を辞め、日米の技術力を生かした小さな大企業「HAMAOKA」を設立、倉庫を借りての研究開発がつづく。東自にすがる大成の現経営陣にはさらなる圧力がかかる。
■系列2 後編「自立への旅立ち~自動車業界の新しい企業家精神~」
土曜ドラマ「系列2」は、前作「系列」の結末、企業の独自性を守ろうとするオーナー会長突然の解任劇を承けた続編。
東京自動車の静岡工場閉鎖は系列部品メーカーの大成照明器に大打撃を与えた。現首脳部が難局打開の切札とした東自幹部の大成役員就任と長男の祥吾の大成復帰の計画は、系列切り離しを狙う東自本社の反対で実現しない。
一方、祥吾の開発した「HAMAOKA」製のヘッドランプがアメリカの新車に採用され、技術力を生かした小さな大企業をめ「HAMAOKA」もようやく軌道にのってきた……。
【出演】
三浦 友和、西城 秀樹、浅田美代子、蟹江 敬三、 佐藤 B作、川谷 拓三、細川 俊之、嵐 圭史、 柳生 博、神山 繁、松村 達雄、奈良岡朋子、佐藤 慶 ほか
原作:清水 一行
脚本:冨川 元文、金子 成人、綾瀬 麦彦
制作統括:一柳邦久、廣田 建三
演出:望月 良雄
【封入特典】
・ブックレット(8P)
しばしば深更にも及ぶ撮影が続きましたが、ロケ先の宿舎で西城秀樹さんが「YMCA」を熱唱して、
疲れた出演者やスタッフを元気づけてくれたことを懐かしく思い出します。
(制作統括 一柳邦久)
○1993~94年 NHK総合で放送
*DVD4枚組
*収録時間:292分/4:3/ステレオ/片面1層/カラー/チャプター付
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